遺産相続後に確定申告が必要になるケースとは
 

こんにちは、今回は「遺産相続後に確定申告が必要になるケース」についてのお話しです。
相続により財産を取得したら、所得税の申告が必要なのかと心配な方もいるのではないでしょうか。相続財産に課されるのは相続税であり、所得税ではないので確定申告は不要ですが、なかには必要なケースもあります。相続開始後の確定申告について説明します。

◆相続開始後に所得税の確定申告が必要な場合とは?◆

相続で取得した財産に課されるのは相続税のみのため、所得税の申告は原則不必要なことがほとんどです。しかし、幾つかのケースにおいては、所得税の申告が必要になります。相続開始後に確定申告が必要となる主なケースは
①相続人自身の確定申告
②被相続人の確定申告(準確定申告)が必要な場合
の2つです。①の場合、大きく分けて以下の4つのケースにおいて確定申告が必要になります。
●相続した土地・建物・株式を売却したケース:土地や建物、株式などを相続し、売却した際は譲渡所得となるため確定申告が必要です。売却した日の翌年2月16日から3月15日までに所轄税務署に確定申告書を提出します。
●相続財産のなかに収益性の財産があるケース:賃貸マンションや駐車場といった『収入を生む遺産』を相続した場合は、相続した日以降の賃貸収入に対して確定申告が必要です。
●相続財産を現金化したケース:遺産をすべて現金化し、相続人同士で分け合うことを『換価分割』といいます。遺産を売却して取得した現金は、収入として売却益部分に所得税がかかるので確定申告が必要です。
●死亡保険金を受け取ったケース:相続人が死亡保険金を受け取った場合、被保険者、保険料の負担者、保険金受取人が誰であるかによって、相続税、所得税、贈与税のいずれかが課されます。例えば受取人が相続人で、保険料を被相続人が負担していた場合、かかる税金は相続税となりますが、相続人が保険料を負担していた場合は、死亡保険金は一時所得として扱われるため、確定申告が必要になります。

また、②の準確定申告は、確定申告が必要な人が年の途中で死亡した場合に、1月1日から死亡した日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続開始を知った日の翌日から4カ月以内に、相続人が申告と納税をしなければならないと定められています。すべての人に準確定申告が必要なわけではありませんが、不動産所得や事業所得を得ていた場合、給与収入が2,000万円を超えていた場合などは準確定申告が必要となります。
今回は概要のみを紹介していますが、スムーズな確定申告が実現できるよう専門家に相談することをお勧め致します。

ご不明点等お気軽にご相談ください。