こんにちは、テラコーポレーション(TERAcorporation)の赫(テラシ)です。
今日は賃貸住宅を探している入居者の立場から見た、アパートとマンションの違いについて話したいと思います。
実は法律による明確な定義がない、アパートとマンション
結構ご存じない方が多いのですが、実はどのような物件がアパートで、どのような物件がマンションですといった法律上の明確な定義は在りません。慣用的には木造及び軽量鉄骨造の建物をアパート、重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物をマンションと呼ぶことが多いです。しかし、私はこの問題について一刻も早く、法律で明確な定義を定めるべきだと思っています。
何故ならば、不動産や建築に知識が無い一般の方は、お部屋を探す際にその物件がアパートなのか、それともマンションなのかということを気にするケースがとても多いからです。
今は、お部屋を探している方の9割以上が「SUUMO」や「LIFULL HOME’S」といったインターネットでの検索で住まい探しをしていますが、こういった賃貸サイトにもアパートかマンションを選べる絞り込みがあります。チェックする方が多いからこそ絞り込みがある訳です。
何故、アパートとマンションの絞り込みをチェックしているかは人によって異なると思いますが、理由として多いのは賃料を優先するか、建物の性能やグレード感を優先するかでチェックしているケースではないでしょうか。
上記の基準でアパートとマンションを分けた場合、一般的に立地条件や部屋の広さ、築年数など賃料以外の条件が同じなら、アパートの方がマンションより賃料が安いことがほとんどですが、建物の防音性能や断熱性能、エレベーターやゴミ出し設備の有無など、建物自体の性能や付帯設備の充実度ではマンションが勝る場合がほとんどでしょう。
そのようなことを考えてアパートかマンションかの絞り込み欄にチェックを入れる方が多いからこそ、法律でアパートとマンションの違いを明確にするべきだと思います。
実際、法律での規定が無いのを良いことに、築50年の2階建て木造物件に「○○マンション」と名前をつけて入居者を募集している物件もあります。そこまで極端でなくても、木造物件や軽量鉄骨造の物件に○○マンションという名前をつけている物件は少なからずありますし、中にはそのような物件を賃貸サイトに掲載する際にマンションとして登録している悪質なケースも見受けられます。
例えば防音性能の明記など、入居者が知りたいことを伝える工夫を
私は、アパートとマンションの違いを法律で明確にすることに加え、入居者を募集する際に防音性能と断熱性能についても一定の基準を明記するのが良いのではないかと思います。
賃貸サイトでは浴槽の追い炊き機能や乾燥機、宅配BOXやオートロックの有無など、様々な条件で検索できるようになっていますが、毎年退去理由の1位になっている騒音問題を解決するのに役立つと思われる防音性能の表記は義務付けられておらず、実際に何かしらの形で防音性能を表記している物件は全体の0.1%にも足りません。
先ほど一般的にはアパートよりマンションの方が防音性能が高いことが多いと申し上げましたが、防音に配慮している木造物件の方が、壁が薄い鉄筋コンクリート造の物件より防音性能が高いこともあります。上下階や隣室からの騒音もとても気になる方もいれば、たいして気にならない方もいます。
防音性能の表記が義務付けられるようになれば、騒音問題でのトラブルも大分減るのではないでしょうか。
これからの賃貸市場は二極化、明確なコンセプトを持つことが重要
少子高齢化が進むこれからの賃貸市場は、今以上に勝ち組と負け組の二極化が進むことが避けられないでしょう。
賃貸物件を所有するオーナーも管理を預かる不動産会社も、共に自分の物件の強みを把握し、明確なコンセプトを持って入居者にアピールしていくことが、「これからの賃貸市場で勝ち残る鍵」になるのではないでしょうか。