こんにちは、TERAcorporation(テラコーポレーション)の大槻です。
私がテラコーポレーションに転職するまで、設計・インテリアコーディネーター・積算・CAD・営業など幅広く建築業界に携わってきた経験から思ったことを呟きたいと思います。
時には、現場の職人から「女の癖に、俺に意見するな!」など今で云うセクハラ?パワハラ?的な言われようをされるのが当たり前の環境でしたが、そんな事にいちいちめげないのが「私世代の”建築女子”」です。
でも悪い事ばかりではなく、男性ばかりの現場では「華」として扱ってもらえる場面も少なくありませんでした。
多少のミスは優しい職人さんが腕でカバーしてくれたり、現場責任者が多めにみてくれたりもしました。
ちょっとした設計ミス・発注ミスでも、現場工程は大幅に狂ってしまう・・・そういう意味では、日々ストレス過多であった気もしますが、若かったので、毎日御前様のブラック環境でも乗り越えられたの思います。
そんな建築業界に身を置いて感じてましたのが、「お客様は業者の言いなりになりがち」ということでした。
「家を建てる」ってある意味人生のメインイベントであり、数千万円という買い物をする一大事では無いですか?
にも関わらず、驚くほど、建設会社に結論を委ねる方が多いのです。
建設会社もピンキリですし、一流会社(建築費も一流)だとしても営業担当や設計者などのレベルはピンキリなのです。
要するに「当たり外れ」が激しく、大外れをひいてしまった場合は目も当てられない結末になってしまうのですが信用しきっているお客様は「それは出来ないんですよー」をそのまま受け止め、希望を諦め残念な事になります。
もう一度言いますが、建物を建てるのは「人生のメインイベントであり、多額のお金を支払うのに」です!
建設会社が言う「出来ない」には「やりたくない」や「やれるけど面倒くさい」という要素が含まれています。
「プロに任せているのだから」という安心感を都合よく利用されるのです。
本当のプロは簡単に「出来ません」と言いません、プロ意識が根本にあるからです。
また、悪気がなくても「自身の会社の製品や仕様しか知らない」せいで提案内容が浅い勉強不足な担当もいます。
そもそも「お客様は素人なのに相手がプロ」という話し合い自体が、全く持ってフェアでないのですけどね。
「で、当たり外れを見極めるポイントとは?」と知り合いにも良く聞かれます。
残念ながら、コレという見極めポイントは無く、有ったとしても、計画が進む中で気付けるのであり
提案時から見抜くのは、建築に携わったことの無い方には到底難しいのが現実のようです。
「大手だから安心とは決して云えない」のが、建築業界ならではかも知れません。
これは、戸建て建築に限らず、より技術を要するアパートやマンション建築の方が如実かも知れません。
戸建てにはない、法令規制や消防法による制限などがあり、プランニングが非常に難しいからです。
また、家とは違い、実際暮らす方に多様性がある上、地域ごとに賃貸ニーズが変わるため、例え1ルームが6世帯という同じ条件のアパートであっても、間取りや設備はニーズに応えるモノを準備する必要がありますので、通り一辺倒なプラニングでは差別化が図れず、賃貸事業が上手くいかなくなる可能性もあります。
そういった背景もあり、余計に「大手だから安心」とは云えないのです。
加えて、大手は建築費が高くなりがちなので、地域によっては収支計画に無理が生じる側面もあります。
でも、当たり前ですが、そういったデメリットを身を削って正直に伝えてくれる担当者はなかなかいませんよね。
フルリフォームを行うリフォーム会社で営業をしてました頃、実は、馬鹿正直にそうお伝えした事があります。
どんなやり方を模索しても、建て直すのと同じくらい費用がかかってしまう上、ご希望に沿った工事が出来ると思えなかったからです。そうした事で、お給料も減っちゃいましたし、会社からは当然の如く叱られました。
なので、私には建築会社の「営業」は向いていないとその時に悟った次第です。
その後テラコーポレーションに転職し、お客様と建設会社との間に入り多種多様な交渉やアドバイスをさせていただけているのは、紆余曲折はあれど、そういった様々な経験を重ねられたからだと思っています。
建設会社の「これは出来ないんですよね」に対して「こうすれば出来ますよね?」と具体的に示す事で簡単に「はい、それならできます」となります。それってどうなの?と思いますが、それが建築業界であると身に染みてますので、そんなものだと私自身は受け止めてますが、お客様は驚かれます。
皆さん「そんなことってあるの?って思ってたけど、こんなにあると思わなかった。これを自分でやるなんて無理」と仰られます。私もお客様の立場でしたら、「嘘でしょ!?出来るんかい」って驚くと思います。
そんなこんなと、長くなりました・・・読んでいただきありがとうございます。
明日は、お客様とクリナップのショールームに行き、賃貸併用アパートのご自宅部分のキッチンをプランニングします。
特に奥様にとっては、他はさておき大事なキッチン!でも予算は限られている!そんな矛盾を解消できるよう一緒に楽しみながらお打合せできたらと思っています。
最後になりますが、コロナ感染数の増加がえげつないです、皆さんお気を付けください。